
PQQで、体の内側からエネルギーを整える
「なんとなく疲れやすくなった」「集中力が続かない」「年のせいかな、とは思うけど、何か対策できないかな」——そんな気持ちで調べているうちに、PQQ(ピロロキノリンキノン)という成分に行き着く方が増えています。
PQQは、体の細胞の中でエネルギーを作る「ミトコンドリア」と深く関わると報告されている成分です。日本発の研究が世界をリードしており、iHerbでも多くのユーザーがCoQ10と組み合わせて活用しています。
この記事では、PQQとはどんな成分か・どんな方に選ばれているか・形態の違いや飲み方まで、できるだけ分かりやすくまとめました。
PQQ(ピロロキノリンキノン)とは? — 基本情報と発見の歴史
PQQ(ピロロキノリンキノン)は、1979年に日本の研究者によって発見された化合物です。発見当初は細菌の酵素を助ける物質として知られていましたが、2000年代に入ってから哺乳類の体内でも重要な働きをする可能性が注目されはじめました。
もともと納豆・キウイフルーツ・大豆・ほうれん草・緑茶など、身近な食品にも微量ながら含まれています。ただし食品からとれる量はごくわずかで、サプリメントとして補う際は1日10〜20mgが目安とされることが多いです。

PQQって、ビタミンの仲間ですか?

厳密にはビタミンとは分類されていません。研究の初期に「第14のビタミン」と呼ばれたこともありましたが、現在はビタミンとしての認定はなく、「補酵素様成分」として扱われることが多いです。補酵素というのは、体の中の化学反応をスムーズにする「助けになる物質」のようなイメージです。

食品にも含まれているとはいえ、実際の食事から十分な量を意識して摂るのは難しいですよね。サプリメントとして補うアプローチが広がっているのも、そのあたりが背景にあります。
PQQの大きな特徴は、抗酸化の働きをする分子の中でも、くり返し何度も機能できる安定した構造を持つという点です。一度使われると終わりになる抗酸化物質が多い中で、PQQはより多くの反応に関われる可能性があると研究者たちは注目しています。
もっと詳しく知りたい方へ(PQQの化学的な特性について)
PQQはキノン構造を持つ低分子化合物で、活性酸素(フリーラジカル)を取り除く反応において、ビタミンCと比べて最大で5,000倍以上の反応回数をこなせるという試験管内のデータが報告されています(Rucker et al., 2009)。
この「くり返し機能できる」特性は、PQQが酸化されてもLDH(乳酸脱水素酵素)などの酵素によって還元・再生できるためです。ただし、これは試験管内のデータであり、体の中での動きは研究途上であることも覚えておくと良いでしょう。
また、PQQはNGF(神経成長因子)の産生に関わる可能性についても研究が進んでいます。神経の維持・修復を助けるタンパク質に働きかけるという報告があり、認知機能との関連を調べる研究の動機のひとつになっています。

体内での働き — 作用機序の概要
PQQが体の中でどのように関わっているか、大きく2つの方向から研究が進んでいます。
① ミトコンドリアへの関わり
ミトコンドリアとは、細胞の中で「エネルギーを作る工場」として働く小さな器官です。筋肉を動かす・脳で考える・内臓が動く——これらすべてに、ミトコンドリアが作るエネルギーが使われています。
PQQは、このミトコンドリアの数や働きに関わる可能性があるとして注目されています。動物実験では、PQQを与えたグループでミトコンドリアの数が増える「ミトコンドリア新生」と呼ばれる変化が観察されたという報告があります。人のミトコンドリアは加齢とともに数や質が変化しやすく、疲れやすさや活力の低下と関係しているとも言われます。

ミトコンドリアの数が増えるって、すごくないですか?

動物実験の段階での報告なので、人でも同じように起きるかどうかはまだ研究途中です。ただ、この仕組みに着目して人での研究も少しずつ積み重なってきているのは事実です。「確実に増える」というより、「関係しているかもしれない」という段階で理解しておくのが正確です。
② 活性酸素(サビ)を取り除く働き
体の中では、日々の代謝やストレス・紫外線などによって「活性酸素」が生まれます。活性酸素が増えすぎると、細胞を傷つける原因になります。PQQには、この活性酸素を取り除く抗酸化の働きがあると報告されており、これが細胞を守るサポートにつながるとされています。
もっと詳しく知りたい方へ(ミトコンドリア新生の仕組み)
PQQがミトコンドリア新生に関わるとされる経路は、主にPGC-1α(ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体γコアクチベーター1α)というタンパク質への働きかけによるものと考えられています。PGC-1αはミトコンドリアの増加・維持に深く関わる「司令塔」のような分子で、PQQがこの経路を活性化させる可能性があるという動物実験データが複数発表されています(Chowanadisai et al., 2010)。
ただし、この経路での人での作用はまだ限られたデータしかなく、今後の研究の蓄積が待たれる状況です。「仕組みとしてはあり得る」という段階で、「確実に起きる」とは断言できません。
PQQ(ピロロキノリンキノン)が不足すると起こりやすいこと
PQQは体内で合成できず、食事から微量しかとれないため、「PQQ不足」という状態は珍しくないと考えられています。ただし、血液検査で数値が出るビタミンや鉄分と違い、「PQQが足りているかどうか」を日常的に測る検査は一般的にはありません。
動物実験では、PQQを意図的に与えないグループで次のような変化が観察されています:
- ミトコンドリアの数が減る
- 体の成長や生殖に関わる機能の変化
- 免疫応答の乱れ
これらはあくまで動物実験の結果ですが、PQQが体の基礎的な働きに関わっていることの手がかりとして研究者たちは注目しています。

「不足するとこうなる」という研究は、ビタミンに比べるとまだデータが少ないんです。それだけPQQの研究が比較的新しい分野だということでもあります。

じゃあ「自分に足りているかどうか」は分からないまま、ということですか?

現時点では、一般的な健康診断でPQQを測ることはできません。ですから「疲れやすい」「集中力が続きにくい」「なんとなく活力が出ない」という感覚を手がかりに、補う方を選ぶ方が多いのが実情です。気になる症状がある方は、まず医師や薬剤師にご相談いただくのがよいと思います。

こんな方に選ばれている — 対象者像
PQQはまだ研究途上の成分ですが、iHerbのレビューや国内外のサプリコミュニティでは、いくつかのパターンで選ばれている傾向が見えます。
パターン1:「最近、頭の回転が鈍くなった気がする」40〜50代
ものを思い出すのに時間がかかる・会議中に考えがまとまりにくい・マルチタスクが以前より大変——そんな変化を感じはじめた方に選ばれることが多いです。PQQと認知・記憶機能の関わりを調べた日本の研究(後述)が注目を集めたことで、この層への認知が広がりました。
パターン2:「昼過ぎから急に力が抜ける」30〜40代のデスクワーカー
午後2〜3時ごろに集中力が切れる・夕方になると疲れが一気に出る、という「エネルギーの波」が気になる方。PQQをCoQ10と組み合わせて飲むパターンが、この層では多く見られます。
パターン3:「体は動いているけど、頭が疲れている」感覚の方
身体的な病気や検査上の異常はないけれど、「なんとなく元気じゃない」という感覚。ミトコンドリアの機能と全身のエネルギー産生への関心から、PQQを試してみる方が増えています。
パターン4:「アンチエイジングの観点でミトコンドリアを意識したい」方
ミトコンドリアは加齢とともに変化しやすく、それが体全体の老化に影響すると考える研究者も多くいます。CoQ10と並んで「ミトコンドリアをケアする成分」として、アンチエイジングに関心のある方に選ばれています。
パターン5:「CoQ10をすでに飲んでいて、もう一歩何か足したい」方
CoQ10ユーザーが「次のステップ」としてPQQを追加するパターンも目立ちます。実際、海外ではPQQとCoQ10をひとつのカプセルにまとめた製品も多数販売されています。

CoQ10との組み合わせって、よく聞きますね。どうして一緒に使うんですか?

CoQ10はミトコンドリアの中でエネルギーを作るプロセスに直接関わる成分で、PQQとは働く場所が少し違います。2つを組み合わせることで、ミトコンドリアへのサポートが重なる可能性があるとして研究されています。後の比較表でも詳しく紹介しますね。
形態ごとの違い — BioPQQ/PQQ+CoQ10の比較
PQQのサプリメントには、大きく2つのタイプがあります。
まず言葉の整理として:BioPQQは日本の三菱ガス化学が開発・製造するPQQの商標名です。発酵法で作られ、安全性・純度の研究データが豊富なことから、多くのメーカーが採用しています。もうひとつのタイプはPQQ+CoQ10の組み合わせ製品で、ミトコンドリアをテーマにした2成分をひとつにまとめています。
※各タイプのより詳しい違いは、以下の比較表でまとめています。
| 比較軸 | PQQ単体(BioPQQ) | PQQ+CoQ10 |
|---|---|---|
| 主な成分 | PQQ(ピロロキノリンキノン)のみ | PQQ+コエンザイムQ10 |
| 1粒あたりの目安量 | PQQ 10〜20mg | PQQ 10〜20mg+CoQ10 100〜200mg |
| こんな方に向きやすい | まずPQQだけ試したい方・CoQ10を別で飲んでいる方 | 2成分をまとめて管理したい方・飲む錠剤数を減らしたい方 |
| コスト感 | 比較的シンプルな価格帯 | 成分2つ分のコストがかかる傾向 |
| 研究データ | BioPQQ単体での安全性・機能研究が豊富 | 組み合わせの研究も一部あり |
| 注意点 | CoQ10との相乗関係を活かすなら別途追加が必要 | CoQ10の用量が固定されるため、調整しにくい場合も |

どちらが優れているということではなく、「自分がどう管理したいか」で選ぶのが現実的ですね。CoQ10をすでに別で飲んでいる方は単体PQQで十分ですし、まとめたい方は組み合わせ品が楽です。
もっと詳しく知りたい方へ(BioPQQの安全性データについて)
BioPQQは三菱ガス化学が大豆や酵母を用いた発酵プロセスで製造しており、日本・米国でFDA(米国食品医薬品局)のGRAS(一般的に安全とみなされる)通知を取得しています。
動物実験での急性毒性・慢性毒性の試験、さらに人での摂取安全性を評価した試験においても、1日20mgまでの範囲では特に問題が報告されていません(Bauerly et al., 2011)。現時点で耐容上限量は設定されていませんが、研究で使われた量の範囲を大きく超えた摂取は研究データがないため、目安量の範囲で使うのが無難です。

摂取のタイミングと組み合わせ
いつ飲むのが良い?
現時点では、PQQの摂取タイミングについて「これが正解」と断言できるほどの研究データはありません。ただし、実際のユーザーのレビューや、研究で使われた条件を参考にすると、食事と一緒か、食後に飲むパターンが多く見られます。
なぜ食事と一緒? PQQは水に溶けやすい性質(水溶性)を持つため、脂溶性のビタミンDのように「脂質と一緒に飲む必要がある」というものではありません。ただ、胃への負担を避ける意味や、CoQ10と組み合わせる場合はCoQ10が脂溶性のため食後・食事中がおすすめになる、という事情もあります。
| タイミング | 向いているケース |
|---|---|
| 朝食と一緒 | 1日のエネルギーや集中力を意識したい方・習慣化しやすい |
| 昼食と一緒 | 午後の活力を意識している方 |
| 夕食と一緒 | 夜の回復・翌朝のコンディションを意識する方 |

飲む時間帯で何か変わるんですか?

現在のところ、「朝と夜でPQQの効率が大きく変わる」というデータはありません。それよりも、毎日続けられるタイミングに合わせるのが大切です。飲み忘れが少ない時間帯が、結果的に一番良い飲み方になります。
組み合わせで意識したいこと
CoQ10と一緒に 前述のとおり、PQQとCoQ10はミトコンドリアへの関わり方が異なるため、組み合わせに関する研究もあります。CoQ10は脂溶性なので、食事中や食後に飲むのが基本です。PQQをCoQ10と一緒に取り入れる場合は、食事に合わせてまとめると管理しやすいです。
ビタミンB群との相性 ミトコンドリアでのエネルギー産生にはビタミンB群(特にB1・B2・ナイアシン)も関わります。PQQと直接的な相互作用が証明されているわけではありませんが、総合ビタミンBと組み合わせているユーザーも多く見られます。

組み合わせを考えすぎると逆に続かなくなることもあります。まずはPQQ単体で始めて、慣れてきたらCoQ10や他の成分を足していく、段階的な取り入れ方が現実的だと思います。

研究が語る — PQQと認知・活力に関する報告
PQQの研究の中でも、日本で行われた人での研究がよく引用されます。
認知機能に関する研究 45〜65歳の健康な成人に1日20mgのPQQ(BioPQQ)を12週間摂取してもらい、認知テストのスコアの変化を観察した研究では、特に記憶・注意の分野でプラセボ(偽薬)グループとの間に違いが見られたと報告されています(Itoh et al., 2016)。被験者数は限られており「誰にでも必ず同じ効果が出る」とは言えませんが、人での研究データとして注目されている報告です。
疲労感に関する研究 1日20mgのPQQを8週間摂取したグループで、疲労感や睡眠の質に関する主観的な評価が変化したという報告もあります。「疲れにくくなった」「眠りの満足度が上がった」という自己評価の変化は、ミトコンドリアへの関わりとの関連が推測されていますが、これも「可能性を示す段階」の研究です。

研究データがあると、少し安心できますね。

そうですね。ただ、試験の規模がまだ小さいことや、長期のデータが少ないことは正直にお伝えしたいです。「研究が積み重なりつつある注目成分」という位置づけで理解しておくのが適切だと思います。
もっと詳しく知りたい方へ(PQQの主な研究一覧と研究の限界点)
PQQに関する人での研究(臨床試験)は、2024年時点でまだ数十件程度と多くありません。大半は日本の研究グループによるもので、サンプル数も数十人規模が中心です。
主な研究の傾向:
- 使用量:1日10〜20mgのBioPQQが多い
- 期間:8〜12週が多い
- 観察項目:認知テスト(記憶・注意)、疲労感の主観評価、血液マーカー
限界点として指摘されることが多いのは、「二重盲検法(どちらがプラセボか分からない設計)で行われているが、サンプル数が小さい」「企業が資金提供している研究が多い」「長期摂取のデータが少ない」の3点です。これはPQQ固有の問題というより、新興の栄養成分全般に共通する研究段階の課題でもあります。今後、独立した研究機関による大規模試験が積み重なることで、エビデンスの信頼性が高まっていくと考えられています。
注意点と医薬品との相互作用
現時点での安全性について
1日10〜20mgの範囲での摂取は、これまでの研究で大きな問題は報告されていません。ただし、耐容上限量(これ以上は摂らないほうがよい量)は現時点で設定されておらず、長期・高用量のデータは少ないため、目安量を大幅に超えた摂取は避けるのが無難です。
医薬品との相互作用
現在のところ、PQQと医薬品の間で報告されている相互作用(薬の効き方に影響するなど)は確認されていません。ただし、以下の方は念のため事前にかかりつけ医または薬剤師に相談することをおすすめします:
- 何らかの持病があり、定期的に薬を飲んでいる方
- 妊娠中・授乳中の方(この時期の安全性を評価した研究が少ない)
- 子ども(子ども向けの研究データがほとんどない)

サプリメントは「食品」ですが、体に作用する成分を毎日摂り続けるものです。新しく始める前に、特に薬を飲んでいる方は薬剤師さんに一言確認するだけで、安心して続けられます。

「副作用の報告がない=何を飲んでも安全」ではなく、「研究で調べられていない」だけのこともあります。その区別は大事にしてほしいです。
まとめ — PQQはどんな成分?
- PQQは、ミトコンドリアの働きや認知・記憶の維持に関わると研究されている成分です
- 納豆・キウイ・大豆などに微量含まれますが、食事からの量は限られており、サプリで補う方が増えています
- 1日の目安量は10〜20mg。BioPQQは安全性データが豊富な形態です
- CoQ10との組み合わせは、ミトコンドリアをテーマにした相性の良い選択肢として注目されています
- 研究は積み重なりつつありますが、まだ規模が小さく「確実」と断言できる段階ではありません
- 持病のある方・妊娠中の方は、始める前に医師・薬剤師へのご相談を
PQQは「なんとなく疲れやすい」「集中力を大切にしたい」という方から関心を集めている成分です。まずは1日20mgの目安量から、継続的に試してみるのがスタートとして現実的でしょう。

よくある質問(FAQ)
Q. PQQ(ピロロキノリンキノン)はどんな成分ですか?
A. PQQは1979年に発見された化合物で、細胞のエネルギーを作る「ミトコンドリア」の働きや、認知・記憶の維持に関わる可能性があると報告されている成分です。納豆・キウイ・大豆などに微量含まれています。
Q. PQQはいつ飲むのが良いですか?
A. 現時点では「この時間帯が最適」と断言できるデータはありません。食事と一緒か食後に飲むパターンが多く、毎日続けられるタイミングに合わせるのが最も大切です。CoQ10と一緒に飲む場合は、脂溶性のCoQ10のために食事中・食後をおすすめします。
Q. PQQとCoQ10の違いは何ですか?
A. どちらもミトコンドリアに関わる成分ですが、関わる場所と仕組みが異なります。CoQ10はミトコンドリアの中でエネルギーを作る反応に直接関わり、PQQはミトコンドリアの数や状態に関わる可能性があるとして研究されています。2つを組み合わせることで、より幅広いサポートになるとして一緒に使う方も多いです。
Q. PQQに副作用はありますか?
A. 1日10〜20mgの範囲では、これまでの研究で大きな問題は報告されていません。ただし長期・高用量のデータは少なく、耐容上限量は設定されていません。妊娠中・授乳中の方や、薬を服用中の方は事前に医師・薬剤師にご相談ください。
Q. BioPQQとは何ですか?
A. BioPQQは、日本の三菱ガス化学が発酵法で製造するPQQの商標名です。安全性と品質に関する研究データが多く、多くのサプリメントメーカーが採用しています。「BioPQQ使用」と記載のある製品は、この原料を使っていることを示しています。
Q. PQQはどのくらいで体感できますか?
A. 研究では8〜12週間の摂取で変化を観察しているものが多いです。「すぐに体感できる」という性質の成分ではないため、まず2〜3ヶ月を目安に継続してみることをおすすめします。
※ 症状が続く場合・お薬を服用中の方は、医師または薬剤師にご相談ください。
※ 本品は医薬品ではありません。病気の予防・治療を目的としたものではありません。